メイン >> ゲスト作家紹介|8月












まぁあ坂口くんときたらソツがない。ソツが無さ過ぎる。
時間も守れば仕事もきっちり。ひとあたりもいいし空気も読める。
几帳面だし洗った手をズボンで拭いたとこなど見たこともない。
あの外見以外は何のソツも、何の越度もない人間です。
いわば紳士です。外見以外は完璧に紳士です。
ツッコミどころが全くありません。顔と体以外は。
誰でも性格のひとつやふたつ捻れているものなのです。
どこか抜けているものなのです。それが全く見あたらない。
8月ですか。8月の暑い最中、男二人だけの現場でソツを見つけ出し、
ソツを積み重ねる作業をしていきたいと思います。

「お墓参りは俺がする」(作・演出/森澤匡晴)
お墓参りは俺がする!

汗まみれに涙まみれ。
傷まみれに血まみれ。
泥まみれに糞まみれ。
‘まみれ’にもいろいろあるけれど、
この世の中で“愛まみれ”ほど汚く醜いものはない。

愛する人を目の前で人質に捕られたスナイパーは、
抱き続けていた気持ちを垂れ流す垂れ流す。

スナイパー=クールで無口で、よってハードボイルド。
というイメージを覆す
スナイパー=めっちゃイキッてて度が過ぎるおしゃべりで、
よって変な人。的なお話。

まみれまみれたスナイパーを乞う御期待!!

森澤さんのコメディには、僕たちの周りにいかにもいそうなちょっと困った迷惑な人達が出てきます。僕はその困った人たちがかわいくてかわいくて、たまら なく大好きです。念願かなって、今回は僕もその人達の一員になれそうです。

8月舞台写真 クリックすると拡大します
8月を終えてコメント
前略

ひとまず8月お疲れ様でした。
そして、ごめんなさい。嘘、吐いてました。
て言うか、ずっと訂正できずじまいだったのですが、この場をお借りして本当のことを言わせて頂きます。
実は僕、演出させて貰うの今回で3回目なんです。
だから、芝居の幕間に坂口君が「森澤さんの初演出、初ひとり芝居を独り占めして」と言う度に罪悪感に駆られておりました。
もうかれこれ13年も、14年も前のことです。
学生の頃入っていた劇団の新人公演と、大学の学祭での演劇部と映画部の合同公演の2回演出らしきものをさせてもらったことがあります。それは余りにも稚拙で、自分の中でなかったことにしておきたかったのでしょう。この話を頂いたとき思わず「演出なんかやったことないで」と言ってしまいました。
振り返ればこの13年間、何人もの演出家から演出を受けてきました。にもかかわらず、自分の脳細胞の進歩の無さと言いますか、脳細胞の頑なさに驚かされます。
13年前「違う違う。『うんこプリプリ』はこう!もっとこう!こう!こうすんねん!」と自分で演って見せていたのと同じように今回も「違う違う。『エリ・マキ・トカ・ゲ』はこう!もっとこう!こう!こうすんねん!」と演って見せていました。
はい。演出ではありません。こんなの演技指導、いや演技指定、いや只のギャグ指定です。
「演出なんかやったことないで」……あながち間違いではありません。
しかし恥ずかしい。とても恥ずかしい。
穴を掘ってでも入りたいぐらいです。観に来ていただいたお客様が有り難くも楽しんで帰って下さったのであれば、それはもう確実に坂口君の稽古の賜物です。あの滴る汗の結晶です。間違いありません。
すいません。もう演出なんてやりません。
役者の足を引っ張ったり致しません。
だから、だから今度は、《森澤演出》なしでご一緒してみませんか?
まだまだ暑い日は続きます。
寒い日も続きます。
あと7ヶ月お体に、そして喉に注意して、決して本番前日に筆談で舞台稽古することなく、頑張って下さい。
ではでは。

草々
前略

衝撃の告白ですやん!
ちょっと森澤さん、森澤さんの初演出は僕が奪ったとばっかり思ってたのに。早く言って下さいよ〜。こんなタイミングってあり!?恥ずかち〜。
まさか一人芝居の台本書くの初めてってのも嘘じゃないでしょうね。だって、めちゃめちゃスラスラ書きあがってきてましたやん!なんだか色々信じられなくなってきましたよ。
でも本当に楽しい楽しい稽古でした。稽古中、僕、普通にお客さんになってましたもん。 いや、嘘です。嘘つきました。
僕に森澤さんの演出を楽しむ余裕はなかったです。
森澤さんの面白さについていくのに必死でした。
必死の稽古でした。必ず死ぬと書いて必死です。
時には森澤さんに台本を奪われ、即興一人芝居を披露しろと迫られた日もありました。自分でも振り返ると死にたくなるくらいさぶかったです…。
ほんと、ほんとに苦戦でした。苦しい戦いと書いて苦戦です。
無事、戦い抜けたのも演出3回目のベテラン演出家が隣にいて僕を支えてくれたからです(結構、根に持ってますよ、僕は)。
おかげさまで8月のシュウイチも素敵な作品に仕上がりました。愛すべき人物を演じることが出来て幸せな日々でした。
ひたすら自分遊びに没頭する男。自分の思うままに出来る世界なのに様々なトラブルが彼を見舞う。一体どんだけ想像力がたくましいんだろう。演じながら、僕はこの男に森澤さんを重ねていました。
森澤さん、いつまでも素敵に妄想して、ビッチのように「ノーベル頭の中平和賞」でいて下さい。僕も森澤さんの妄想に追いつけるように日々トレーニングあるのみです。
「明日はアンヌでやってみようかなぁ」

草々
森澤匡晴
和歌山県生まれ。近畿大学入学と同時に
演劇部覇王樹座に在籍し演劇活動を始める。
1996年、演劇部の同期だった上田一軒とスクエアを旗揚げ。
以後全ての作品を作・出演。
一貫して市井の人をコミカルに描く作風で喜劇にこだわり続け、
大阪・東京を中心に公演を展開。
2005年には喜劇の日本代表として「釜山国際演劇祭」に招聘される。
同年スクエアのメンバー4人で「ザ・バックストリートシャイニングス」というコミックバンドを結成し、大阪のライブハウスで活動を展開中。
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