メイン >> ゲスト作家紹介|2月












坂口さんは、しっかりしてるけどお調子者、
躁病なのに鬱病、みたいな人という印象があります。
なので、こういう演劇マラソンみたいなヘビーなことをしたら、
きっと花咲くか、壊れるかのどっちかのような気がします。
とは言いながら何よりも「石橋を叩いて渡る」男でもあるので、
結局たいして面白いことも起こらずに終わるのかもしれません。
できれば一人芝居だったのが、
最終的には100人芝居くらいになってるといいなあと思います。

僕としても参加は来年の2月なのでその時どうなってるかわかりませんし。
約束なしで面白いことをしたいっすね。

「身体からいろんなモノを出す男」(構成・演出/ウォーリー木下)
そこは舞台の袖。
僕(坂口シュウイチ)はなにひとつ準備はできていない。
本番が始まる開演ベルの音が鳴り響く。
台詞も覚えてないし、共演者と顔合わせもしていない。
悪夢だ。そうだ、これは夢なんだ。
昔から何度となく見てきた夢だ。本番前に必ず見る夢。
役者なんてろくな商売じゃないぜ。
あ、幕が開いた!観客の拍手。え、夢にしては、お客さん、リアルすぎません?
彼はこのピンチをどう乗り越えるのか?
台詞がなければ踊ればいい。
小道具がなければ、体の中から出せばいい。
観客の皆さんにとって、素敵な夢になればいい。

【ウォーリー木下さんからのコメント】

「火曜日のシュウイチ」唯一のダンス作品です。
さらには僕にとっても彼にとっても初めてのダンス作品です。
ダンス業界の方に見てほしいです。ニート業界の方にも見てほしいです。
2月は何かをはじめるには、中途半端でとてもいい時期です。
30を超えたニート2人で、楽しくも切ない約30分のショウを作りたいと思います。
台詞?ホントにないと思いますよ。


どことなくアメリカンなテイストの入った透明感のある世界をつくるウォーリーさん。ウォーリーさんと芝居をつくるのは本当に楽しい。稽古はゲームのルール説明、本番はゲームを楽しむだけ。さぁ、今回はどんなゲームをつくりましょうか!
2月舞台写真 クリックすると拡大します
2月を終えてコメント
坂口さんは本当に何でもできるんです。すごいです。もちろん最初からすぐにできるわけじゃないんです。コツコツと練習して、多分人の何倍も練習してるんでしょう、すぐに身につけてしまうんです。おかげで上手くなり過ぎて泣く泣くカットしたネタもあります。ジャグリングもダンスも手品も物真似もミカンの早食い、ローラースケート、なんでもできるようになりました。さすがです。役者の見本だと思います。ただ、なぜか芝居だけは上手くならないんですよね。なぜなんだろう。
さて、本編のことよりも、僕はここで「LOVE LOVE LOVE」の話をします。転換中に流した映像のことです。あれが実現できたことが、なによりの喜びだったといっても過言ではないでしょう。本編はさておき。僕はもう親子の愛について考えざるを得ませんでしたよ。そのくらい深い演奏と編集でしたね。映像のキヨくんにはここで感謝の投げキッスをしときます。チュ。いつかまたあの親子デュオのライブが見れることを心から望みます。
そうそう、僕のラブコールに応えて最終日にだけやってくれた「一夜限りのライブ」、あれは、いらなかったね。うん、でも、今思い出すのは、本編のことよりも、やはりお母さんのコーラスと愛嬌たっぷりの笑顔です。ありがとうお母さん、チュ。どでもいいけど、あれyoutubeで見れないの?
唾を飛ばしながら必死に喋る僕の姿を見て、さかぐっちゃんの唾、嫌やな〜。僕の時は唾が飛ばない芝居にしよう!と無言劇でいくと決めたウォーリーさん。最初はどうなることかと正直思いましたね。だって、僕が喋らないんですよ!?「火曜日のシュウイチ」でもどんどんトークのコーナーの時間が長くなっていってるってのに。台詞が一言もないって、ウォーリーさん楽したいだけじゃないの!?
しかし、結果、「火曜日のシュウイチ」で一番稽古しました。11月から稽古開始、最初は手品ショップに行ったり、衣装の人と巨大坂口着ぐるみつくれないか相談したり。今から思えば無駄なような、大切な時間を山盛り共有しました。ウォーリーさんは今回の話のベースになる小説も書いて来てくれました。身体から色んなものが出る男の話。彼の身体から出るモノは皆の記憶の中から忘れられたモノ…。 喋らないパフォーマンス、楽しかったです。もう予想以上に。空気が掴みやすいというか、いつものペラペラ喋ってる時と違ってお客さんも集中してくれているというか不思議な感じでした。
なにより嬉しかったのが、たまたま台湾から見に来てくれていたお客様がいて、楽しんで帰ってくれたこと。これは言葉に頼らないパフォーマンスの醍醐味ですね。すぐに国を越えれる可能性があるという。すっかり無言パフォーマンスにはまっております。今度は海外公演だ!
しかしウォーリーさん、感想が僕のおかんの話にかたより過ぎてません?僕との思い出はどこへ行ったの?

ウォーリー
木下
1993年神戸大学在学中に劇団☆世界一団を結成。
全作品の脚本・演出を担当。
2006年11月「sunday」と改称し、体制を新たに活動開始。
一方で「the originaltempo」のプロデュース・演出も手がけ、海外にも進出している。
またHEP HALLプロデュース『LOVERS 2人だけのロミオとジュリエット』演出や、KAVCプロデュース『ワイルド番地』作・演出、3UNITプロデュース『ナイトサファリ』構成・演出など、外部公演も多数手掛けている。
sunday blog