メイン >> ゲスト作家紹介|11月












誰とでも仲良くできる八方美人は苦手です。
どこか胡散臭さを感じてならないからです。
「あの人はホントにいい人」などと言われる人は基本疑ってかかります。
その笑顔の下に腹黒さが透けて見えるようでならないからです。
世渡りのうまい人とはたぶん友達になれません。
世渡り上手がうまく世を渡り歩くために切り捨てていくものが、
僕には大切だったりするから。
坂口さんは八方美人で、「いい人」と称され、世渡りもそこそこに上手い。
普通に考えたら、これほど近づきたくない人もいません。
でも、気がつけば坂口さんと一緒に仕事をしていたりする。
これは坂口さんが僕の想像を遥かに越えて、
悪魔のような計算高さと宇宙のような腹黒さ併せ持つ悪人なのか。
それともこんな捻くれた僕でも拒絶反応を起こさない善人なのか。
僕は坂口さんの魅力はその両方にあるんじゃないかと思います。
悪人と善人のハーフ。
そんな坂口さんの正体を暴き明かすような一人芝居を作ろうと思います。
タイトルは「髭と性欲(仮題)」。
今、考えました。内容は全然考えてませんが、これから考えます。

「スタンリーの受難」(作・演出/末満健一)
まだ御伽噺と現実が地続きだったあの頃。
気弱で臆病な青年スタンリーは、
幼馴染の親友の窮地に立ち上がる。
走り出すスタンリー。親友を助けるために。
しかし、極端な方向音痴である彼は
あらぬ方向に迷い込んでしまう。
そこは、入れば二度と抜け出ることのできない迷いの森。
森の出口が閉まるまでの猶予時間はキッカリ30分。
森の妖精たちが脱出を邪魔するべく、
あらゆる妨害を仕掛けてくる。
果たしてスタンリーは無事に森から脱出して、
親友のピンチに駆けつけることができるのか!?

ピースピット秋の本公演 『呪いの姫子ちゃん』の
登場人物・スタンリーの劇中の空白を埋めるスピンオフ企画。
演劇ならではの脱出劇を30分(1800秒)ジャストの時間制限で
繰り広げる走れメロス的ゲーム劇。

末満くんの描く世界は演じていてとても興奮します。大好きな映画の登場人物になってスクリーンをところ狭しと飛び回っているような高揚感です。徹底的に作りこまれた箱庭的世界観、そこで僕の個性が生き生きと息づきます。

11月舞台写真 クリックすると拡大します
11月を終えてコメント
『火曜日のシュウイチ』は、坂口さんの武器と坂口さんの弱点がさらけ出される一年間です。演出家としては、坂口さんの武器に「ほほう」と感心し、弱点には「ああもう」とやきもきさせられる11月でした。そんな七転八倒しながらも、あの楽しい時間を提供できるのは、坂口さんが生粋のエンターテイナーだからでしょう。
半ば、常連さんやスタッフ・演劇関係者による「坂口修一を見守る会」と化しつつある『火曜日のシュウイチ』ですが、もっとたくさんの人に観ていただきたい。坂口さんももっともっとぶっ飛ばしてたくさんの人が「見逃せない男」になってくださいね。来年も再来年もやってほしいですね『火曜日のシュウイチ』。行く行くは大阪の観光名所になったらいいと思います。打倒、劇団四季!!
あと四ヶ月、体と喉にお気をつけて。
僕が『火曜日のケンイチ』をやる時は是非脚本と演出をお願いいたします。坂口さんだったら楽しいやつを作ってくれそうな気がします。
いやぁ、今月は末満くんにとことんいじめられた一ヶ月でした。スエケンからの要求は僕の苦手なもののフルコースです。 ダンスから始まり、物まね、さらにはお客さんからのわがままを叶えてあげてください!ときたもんだ、それも40分という時間制限付きで。
ダンス!あぁ、踊りたくない。物まね、あぁ、だから似てる物まねなんてひとつもないんだって…。で、極めつけはお客さんからのわがまま。
「一発芸を10連発!」とか、「客席を27回大爆笑させて」とか、「お題をもらって即興一人芝居」、「スタンリーのキャラクター変更」、「ち○こみせて」etc.…そりゃみんな無茶でっせ〜。で悪戦苦闘していると…タイムオーバー!!40分で芝居は強制終了。
終演後のスエケンからの駄目出しは「アトラクションに流されず芝居をきっちり魅せてください。あと制限時間ぴったりでお願いします。」本当に鬼に見えましたね。
スエケン、『火曜日のケンイチ』をやる時はいつでも声をかけて下さい。今度は僕の番です!むふふふふふ♪
末満健一
1976年6月18日 大阪府出身 双子座 O型
1996年より劇団「惑星ピスタチオ」に役者として参加。
以後、2000年の解散まで全ての公演に出演。
2002年より自身のユニット「ピースピット」を立ち上げ。
脚本・演出・役者として活動している。
情報過多とも言えるほど偏執的なまでに作りこまれた世界設定を構築し、そこで俳優たちが演技的遊戯に興じるエンターテイメント性の高い作品を作り続けている。
物語は終末世界を舞台とすることが多く、独自の世界観や死生観をそこに盛り込み、単純な娯楽作とは一線を画した味わいを見せている。
また、コントユニット「バートンズ」も主宰。長編のピースピット作品とは別に、短編集としての演劇作品を発表している。
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