メイン >> ゲスト作家紹介|5月












俺の知り合いで坂口修一ほどの芝居馬鹿はちょっといない。
エンタメ、アングラ、新劇、コント、ミュージカル、
学生劇団、人に言えない闇仕事。
そりゃもうジャンル問わず舞台に出まくってやがる。
別名:劇団道場やぶり。または客演こうもり男、か。
馬鹿だ。何しろ掛け持つ複数の台本を覚えるため
『アドバルーンが飛ばないための監視』という
実に都合のいいバイトまでやってるくらいだ。
その坂口が一年中ずっと、月替わりの一人芝居をやるらしい。
作家陣のラインナップも節操なし。うーん、すげぇ奴っちゃすげぇよな。
ま、やりとげてみろ。やっぱこいつ、本物の馬鹿だぜ。

「錦恋」(作・演出/伊藤えん魔)
派手なスーツは原色金ピカ。大きすぎるぜ蝶ネクタイ。
今はしがない俺達だけど、いつか成れるさお笑いの星。
目指すところは「熱い芸」か「燃える恋」?
はたまた「暑いゲイ」か「飢える恋」?
惚れた相方と手に手をとって、今日も立ちます演芸場。
道ならぬ恋に身を焦がす漫才師の色情にまみれた楽屋裏。
「あのう…、もうすぐ本番なんですが、
一体何やってんです?」


僕はハードボイルドとは縁遠い人間です。が、やはり男なのです。とてもあこがれております。えん魔さん、ぜひマンツーマンで僕を超ハードボイルドに仕上げてください!さらに、えん魔さんの徹底したギャグ理論をも伝授して下さい。

5月舞台写真 クリックすると拡大します
5月を終えてコメント

何をやっても、どんな舞台に立っても一向に変わらぬ坂口のキャラ。
そんな坂口に出した俺のオーダーは「多重人格になれ」だ。
相方に困惑する芸人、事務的なAD、やくざな社長、嫌味なぬいぐるみ、果てはサタンからOLまで、 結果…なかなかうまくできたんじゃねぇの?凄げぇぜ、坂口。
とりあえずお疲れ。あと10作品だな。
やっぱ馬鹿だろ、てめぇ。

えん魔さんのハードボイルド&ギャグ、どっちもこの機会にこっそり盗んでやろうと目論んでおった僕です。結果は…いやぁ、当たり前ですけど、そんな簡単に盗める訳はありませんでした。じっくり時間をかけて盗みなおさせてもらおうと思っております。
「錦恋」の稽古、本番は密度の濃い、濃厚な時間で、新しい発見が山盛りありました。知らず知らずの内に自分の演技を自分で狭くしていた僕。14年の間に凝り固まった僕の頭をえん魔さんに無理やりこじ開けてもらいました。 さぁ、この1年間でどれだけ成長するのか、見ていてくださいえん魔さん!
最後に、稽古後、毎回、食事をごちそうしてもらいまして、ありがとうございました。その意味でも稽古が楽しみでした(笑)

伊藤えん魔
ハードボイルドとギャグを融合した
エンターテインメントを追求する「ファントマ」主宰。
巨体に似合わぬ機敏な動きと低音を操る軽妙な語り口。
シュールなネタや妖しい人物をやらせれば
比類なき関西小劇場界の怪優である。
現在、朝日放送にレギュラーラジオ番組「伊藤えん魔のAMam」。
ぴあ「えん魔様に懺悔なさい!」、サンケイ新聞「顔出し道場」にコラム連載中。
MBSオーサカキング、リーガロイヤルホテル・ミステリー、一心寺恐怖百物語他、バラエティ・イベントの仕掛人でもある。
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